- ちゅう
- I
ちゅう[チフ](連語)〔助詞「と」に動詞「いふ」の付いた「といふ」の転〕…という。
「楽浪(ササナミ)の連庫(ナミクラ)山に雲居れば雨そ降る~帰り来(コ)我が背/万葉 1170」
〔現代語でも方言的な言い方として用いられることがある。 「なん~ことだ」〕IIちゅう【中】(1)程度・度合が普通であること。 なみ。 中ぐらい。「成績は~の少し上」「~のサイズ」「上・~・下」「大・~・小」
(2)どちらにも片寄らないこと。 過不足のないこと。 中庸。「~を取る」
(3)「中学校」の略。「一~」「付属~」
(4)「中国」の略。「日~」「訪~」
(5)名詞の下に用いる。 (ア)その中に含まれることを表す。「空気~」(イ)その範囲内であること, また, その範囲全部であることを表す。 「今週~」「来月~」(ウ)ちょうどそれをしている時であること, その状態にあることを表す。 「仕事~」
(6)(「…中の…」の形で)その中で最もそれらしいことを表す。「秀才~の秀才」
(7)物のまんなか。 中央。「橋桁四五間~より折れて/太平記 14」
(8)物事を行なっている最中(サイチユウ)。 また, 途中。「すでに討たんとしたりしが, ~にて心をひき返し/御伽草子・猿源氏」
(9)仲立ちすること。 また, その人。「江戸へは~にて間似合の返事/浮世草子・沖津白波」
(10)仲立ちの手数料。「私が~でも取つたかと, 毎日毎夜の使ひ立て/浄瑠璃・二枚絵草紙(中)」
(11)そら。 空中。III「~を飛ぶ鳥も地に落つ/蒙求抄 3」
ちゅう【宙】(1)大空。 天。 また, 地面から離れた所。 空中。 空間。「~に舞う」
(2)そらで覚えていること。 暗記していること。「長い詩を~で言う」
~に浮・く(1)空間・空中に, 支えなしで浮かぶ。(2)中途半端の状態で止まったままになる。「計画は~・いたままだ」
~に舞・う空中で舞うような動きをする。「胴上げで体が~・う」「風で札束が~・う」
~に迷・う中途半端の状態で落ち着く所がない。 宙に浮く。~を飛・ぶ(1)空中を飛ぶ。(2)足が地につかないように速く走る。 宙をかける。IVちゅう【忠】(1)真心をこめて物事をすること。 まごころ。(2)真心をこめて国家や主君に仕えること。 臣下としての本分を全うすること。 忠義。 忠誠。 忠節。(3)律令制で, 弾正台の判官(ジヨウ)。 大少の区別がある。Vちゅう【柱】(1)琴柱(コトジ)。(2)柱体(チユウタイ)。 はしら。~に膠(ニカワ)して瑟(シツ)を鼓(コ)す〔史記(藺相如伝)〕琴柱(コトジ)に膠をつけて瑟を弾(ヒ)く。 規則にこだわって融通のきかないことのたとえ。VIちゅう【注・註】本文中の語句や事項などについて, 補足したり詳しく説明したりすること。 また, その説明。VII「難解な語句に~をつける」
ちゅう【籌】昔, 数を数えるのに用いた木の串(クシ)。 かずさし。 かずとり。 籌木(チユウギ)。VIIIちゅう【紂】中国, 殷(イン)王朝最後の王。 名は辛(シン)・受。 紂は諡(オクリナ)。 妲己(ダツキ)を愛し, 酒色にふけるなど乱行が多かったため, 周の武王に討たれ, 殷は滅亡した。 夏の桀王(ケツオウ)とともに暴虐非道な帝王の代表とされる。 殷紂。 紂王。 帝辛。 生没年未詳。IXちゅう【誅】罪あるものを討つこと。 罪あるものを殺すこと。X「~に伏する」
ちゅう【酎】「焼酎(シヨウチユウ)」の略。XI「~ハイ」
ちゅう【鈕】(1)印章・鏡などのつまみ。 取っ手。(2)こはぜ。 ボタン。
Japanese explanatory dictionaries. 2013.